正則の岸本淳監督(44)は試合後、涙で声を詰まらせながら選手の頑張りをたたえた。

4回に足をつった選手もいたが、部員18人全員で9回を戦いきった。「0-27から始まったチーム。こんな試合ができるようになったんだなぁと思って、感動して見ていました」。

昨夏は4回戦に進出。その後、10人で新チームが発足した最初の練習試合のスコアが0-27だった。結果に打ちのめされたが「ここから頑張ろう」と1歩ずつ進んできた。

初戦も劣勢が続いたが、監督はベンチから「この状況を楽しもう!」と声を掛け続けた。0-7で迎えた7回無死一塁。8番の岡村祥大内野手(2年)が打席に入った。初球はバントの構えでボール。カウント1-1となり、バスターのサインが出た。「練習は少ししかしていなかったので、できるかなと不安だった」が、見事に3球目を右前へはじき返した。無死一、三塁のチャンスを作り、1点につなげた。「よっしゃー!と思いました」。

また新しいチームづくりが始まる。岡村は「先輩には、ありがとうございましたのひと言。次はリベンジするので見守ってくださいと伝えたい」。みんなでつないで奪った1点は、一生の思い出だ。

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