佐賀大会は16日、3回戦3試合が行われた。初の甲子園出場を目指す北陵は、強豪・佐賀北との継続試合を制して8強に進出。先発の最速141キロ右腕、真木■太郎投手(3年)が1失点で完投した。2年前に新設された野球部の専用グラウンドは、甲子園球場と同等の広さ、同じ土を使うなど学校側も全面サポート。5月のNHK杯の覇者が、悲願の夏へ前進した。

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北陵が佐賀大会初の継続試合で逃げ切った。前日15日は雨天で持ち越し。この日は2-0と北陵のリードで、6回表、佐賀北の攻撃からスタートした。仕切り直しの一戦で、先発の真木は「しっかりケアしてもらったので、万全な状態で臨めました」とピンピン。最速141キロの直球を軸に、シンカー、スライダー系を駆使して1失点完投だ。19年夏の県王者、佐賀北に競り勝った。

運も味方した。北陵のベンチは三塁側。雨だった15日は午後からの試合で、本来ならベンチに日差しが入りこむ時間帯だった。しかし、天は雨空。体力の消耗を防いでいた。

さらに継続試合となったこの日は、第1試合に組み込まれた。三塁側ベンチは、午前中なら日陰になる。就任1年目で、明豊(大分)のコーチ時代にはソフトバンク今宮を指導した浦田豪志監督(42)は「環境的に形成が逆転した。恵みの雨になったのは間違いない」とうなずいた。

2年前に新設された北陵野球部の専用グラウンドは、甲子園球場がモチーフ。聖地の両翼95メートル、中堅118メートルを限りなく再現し、内野の土も甲子園と同じ土を使用している。初の甲子園出場へ、学校側も全面サポートだ。真木は北陵に進学した理由を「入学する前から新設されることを知ってたので北陵を選びました、めっちゃいいっすよ!」と、興奮しながら明かした。

5月下旬のNHK杯王者。まずは「がばい旋風」でおなじみの佐賀北を撃破し、8強入りした。真木は「全部の試合を決勝戦と思って、全力でいきます」と引き締めた。【只松憲】

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