高松商が「イチ流」で8強進出を決めた。序盤は接戦。着実に加点し、7回は今秋ドラフト候補で高校通算62本塁打の浅野翔吾外野手(3年)の右翼線適時二塁打などで3得点。一気に突き放した。

厳しい戦いは続くが、長尾健司監督(52)は、昨年12月に直接指導を受けたマリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(48)から聞いた言葉を明かした。

「イチローさんは『楽しくやろうというのは無理。俺は楽しんでやったことは1回もない。覚悟してやっていた。覚悟できないなら監督に代えてください、と言った方がいい』と言っていましたから」

主将の浅野も深くうなずく。「プレッシャーを感じて楽しくないという人もいるかもしれない。そのプレッシャーを力に変えてプレーしないと、これからやっていく上で、挫折だったりもやっていけないと思う。そういうときこそ、しっかり笑顔で、やる気を出してやっていきたい」。イチロー氏が指導した高校は甲子園でも躍進。智弁和歌山が昨夏の甲子園を優勝した。国学院久我山(西東京)も今春のセンバツで4強に進出した。それだけに、浅野の思いは強い。

「イチローさんに教えてもらってから、智弁和歌山さんが優勝した。国学院久我山さんがベスト4。どんどん結果を出している。(同じく指導を受けた)千葉明徳さんと一緒に出て、結果を残したい」

千葉明徳もこの日、7-0で国府台を下した。レジェンドの教えに報いるためにも、覚悟を固めて、頂点に挑む。【酒井俊作】