市船橋が一進一退の攻防を制し、16年以来の決勝進出を決めた。

拓大紅陵が先制すると、すぐに市船橋が逆転、さらに拓大紅陵が追い付く。試合の流れが読めない展開に終止符を打ったのは、1年生の一打だった。

同点で迎えた8回表、無死三塁から、市船橋の大野七樹内野手がインコース低めの直球を中越え適時打で勝ち越し。さらに手堅く犠打で三塁に進め、篠崎大耀外野手(2年)がしぶとくショート前に転がし三塁の大野を迎え入れ、この回、貴重な2点目を挙げた。大野は「絶対打つという気持ちでした。とてもうれしいです」と喜びをかみしめた。

ここぞの強さが持ち味だ。大野は中学時代は佐倉シニアでプレー。20年リトルシニア関東連盟秋季大会では二塁手でベストナインを獲得するなど、守備が武器。市船橋でプレーした兄を慕い同校に入学した。「後ろ重心で、前で打つフォームを教わって、ずっと振り込んできました」と、わずか5カ月で打撃を磨き、大一番での一打につなげた。

大野は「先輩たちと一緒にプレーしているのは楽しい。決勝戦も集中して戦いたい」と、1年生らしくニッコリ笑った。【保坂淑子】