木更津総合が昨夏決勝で敗れた専大松戸を破り、決勝に進出した。

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「ヨッシャー!」。木更津総合のエース越井颯一郎投手(3年)は最後の打者を右飛に打ち取ると、ガッツポーズを作り、喜びを爆発させた。昨夏の雪辱を果たし、「自然とガッツポーズが出ました」。

苦しい投球だった。立ち上がりは持ち前のテンポのいい投球で無失点に抑えたが3回、「同じテンポで投げてしまった」と専大松戸打線につかまった。5安打に1四球で大量5点を失い、1度は逆転を許した。

「このままでは終われない」。エースの意地が越井を奮い立たせた。4回からは、制球良く外角を突き、カットボールとチェンジアップで緩急を使い、打たせて取った。攻撃のリズムも作り再逆転につなげ、9安打5失点で完投勝利。「打者陣にありがとう、と言いたい」と感謝した。

5回戦の東海大浦安戦でも先発したが、7回を11安打5失点で降板。「情けなかった。今日は何とかして抑えなければ」。苦しみながらも勝利に導く。エースとしてまた1つ成長した。

昨年は決勝で専大松戸と対戦し、延長13回タイブレークでサヨナラ負け。先輩たちが泣き崩れる姿を目の当たりにし「来年の夏は専大松戸に勝って甲子園に行く」と誓った。越井は「リベンジしました、と先輩たちに報告します」と胸を張った。【保坂淑子】