札幌大谷が地区大会から5試合連続の2ケタ安打となる13安打と、決勝でも爆発した。

今夏のチーム打率は4割2分5厘。打線を引っ張ったのは1番飯田星哉だ。1回先頭で先発坂本から左前打。この日は1安打も、6試合24打数12安打7打点、打率5割と大当たりだった。初の夏甲子園出場に貢献し「春に(地区で)負けて夏しかチャンスがなかったので、絶対行きたいという思いがあった。(甲子園に)行けるのですごくうれしい」と笑った。

チームは春の地区大会代表決定戦で昨夏王者北海に1-2と9回サヨナラ負けを喫した。飯田はこの試合右越えに1発を放ったが、チームとしては相手2年生右腕に9三振を喫し、速球に手を焼いた。夏を見据え舩尾監督は「もう1つ工夫が必要。大きいのを狙わずにしっかり(ボールを)とらえること」と選手たちに言い聞かせた。

練習ではマシンを通常よりも2~3メートル前に出し、速球を芯に当て、はじき返すことを繰り返した。飯田は「速球に対して打ち負けない、速球だけは打ち返せるようにと練習してきた」。平日約3時間の練習後、各選手が30分~1時間程度バットを振り込むなどして、打力アップへつなげた。

飯田の兄柊哉(札幌大谷大3年)は3番捕手として19年春センバツで甲子園の土を踏んでいる。兄は最後の夏南大会初戦で敗れ、夏の聖地には届かなかった。決勝当日の朝「『絶対打てるから自信を持っていけ』と言われました」。スタンドで見守った兄の言葉を力に変えた。「1番なので出塁してチャンスをつくりたい」。夢舞台でもリードオフマンとして打線に火をつける。【山崎純一】

▽3回1死一、二塁で先制適時二塁打を放つなど、3安打1打点の札幌大谷3番天野 先制点が重要だとみんなで言っていたので、自分で決めようと思っていた。(初の甲子園出場に)高校でだいぶ成長できたと思う。

◆札幌大谷 1906年(明39)、私立北海女学校として創立。48年に中学校を開設し現校名になる。全校生徒数は887人(女子524人)。野球部は男女共学になった09年に創部。現部員は99人。男子サッカー、女子バレーボール、卓球、フェンシング部も全国レベル。主な卒業生は巨人・阿部剣友、里田まい(タレント)。所在地は札幌市東区北16東9。梅津義信校長。