北陸が16年以来4度目の夏の甲子園王手をかけた。3投手の継投で若狭に得点を許さず、打線も効果的に加点した。

矢納(やのう)ツインズの悲願まであと1勝だ。主将の兄圭悟と4番を打つ弟弘也(ともに3年)。中学3年の夏に母を亡くし「甲子園に行って恩返しを」と同じ高校を選択した。現在は主に控えで、三塁コーチとして声をからした圭悟は「あいつが打たないと負けると思っている」と弟を優勝のキーマンに指名。弘也はその期待に応えて初回に先制犠飛を上げ、9回には適時二塁打と奮闘した。

圭悟は「支えてくれたじいちゃん、ばあちゃんも80歳を過ぎている。甲子園くらいしか恩返しができない。私情をはさむべきじゃないけど、自分は勝つためにできることをやる」と引き締めた。悲しみから3年。兄弟は28日、敦賀気比との大一番にすべてをかける。【柏原誠】