京都国際が2年連続2度目の優勝を飾った。

龍谷大平安は4年ぶりの優勝に届かなかった。

京都国際は昨夏の甲子園で初出場4強入り。今春のセンバツは選出されていたが開幕前日に新型コロナウイルス感染拡大のため無念の出場辞退をしていた。小牧憲継監督(39)は場内インタビューで喜びを語った。

「強い平安さんにしっかり勝ちきろうと話していた。冷静に普段通りにやってくれた。甲子園の舞台に戻してやるのが私の責任だと思っていた。出場辞退した時に何もしてやれない無念さがあったが、選手たちはたくましくなった。つらいことがあったが、これを乗り越えたら本当に強い京都国際になるぞ、と言っていた。甲子園の舞台で野球ができる喜びを感じて、しっかりと勝ちきりたい」。

エース森下瑠大投手(3年)が好投、逆転V弾と千両役者ぶりを発揮した。

今夏、初の先発マウンドだった。小牧監督は「まだ本調子じゃないが、彼が持つ経験値と野球への思いと心中しました」と起用の理由を明かした。

森下は先頭の南野倫平外野手(3年)に先頭打者弾を浴びたが、その後は毎回走者を許しながら、威力ある速球を軸に得点を許さなかった。左肘の状態は完全ではないものの、大一番で6回1失点の好投。昨夏甲子園4強のドラフト候補左腕が実力を見せつけた。

打撃も圧巻だった。0-1の4回、4番打者の森下は右中間に高々と、逆転の2ランを放り込んだ。一気に球場のムードを変えた。6回にも1点、7回には押し出し死球、暴投、森下の適時左前打で3点を追加。森田大翔投手(3年)が残り3イニングを抑えて、歓喜の瞬間を迎えた。

 

◆京都国際 1947年(昭22)に京都朝鮮中として開設。58年に学校法人京都韓国学園に。63年高等部が開校。04年に日本の学校教育法第1条の認可を受ける。日韓両国から中高一貫校として認められ、京都国際中学高等学校となる。全校生徒138人(女子66人)。野球部は99年創部、部員62人。甲子園は夏2度目、春は1度。今春も選出されたが大会前に辞退。京都市東山区今熊野本多山町1。朴慶洙校長。