力尽きた。帝京長岡のエース茨木秀俊投手(3年)は142球目だった。日本文理・玉木に痛打された。1-1の延長11回2死一、三塁からのサヨナラ負け。「低めのボール気味の球だったから、相手の方が上手だった」と敗戦を淡々と振り返った。26日の中越との延長12回181球の完封勝ちから中1日。再び延長11回の接戦を1人で投げ切った。

試合終了の整列後、茨木秀は日本文理の田中と握手を交わした。プロ注目右腕同士の投手戦。息詰まる接戦を演じた茨木秀に田中は「ありがとう」と感謝し、茨木秀は「甲子園でも頑張って」と返した。甲子園に届かなかったが「3年間で一番、楽しかった」と内容の濃い2時間33分の試合を楽しんだ。芝草宇宙監督(52)は「これ以上ない、というくらい…。最後まで力を振り絞って投げてくれた」と涙声で愛弟子をたたえた。【涌井幹雄】