高校通算64本塁打で今大会注目のスラッガー、高松商・浅野翔吾外野手(3年)が1年ぶりに甲子園に帰ってきた。「1番中堅」で先発した。

打たなくても沸かせるのが怪物だ。初回の打席はフルカウントからファウル2球後に四球。スイングするたびに、場内からどよめきが起きた。

3回1死一塁での2打席目もド肝を抜いた。初球の132キロ直球をフルスイング。飛球は自分の頭上に高々と舞い上がった。上空の風で落下点がなかなか定まらず、三塁手、投手、捕手の3人が本塁付近で捕球体勢に。最後は三塁手がファウルゾーンで何とかつかんだ。インパクトから捕球までの滞空時間は実に「6秒3」。プロで強打者とされる滞空時間は6秒以上とされ、高校生で自分の真上に打ち上げた6秒超えは珍しい。

浅野は甲子園デビューした昨夏の3回戦で、優勝した智弁和歌山のエース中西聖輝(現青学大)から左越えに本塁打を放った。今夏の香川大会では打率5割7分1厘に加え、アーチ3本。先頭打者弾2本で迎えた決勝では3ランを左中間に打ち込んだ。PL学園・清原和博と並ぶ高校通算64本塁打をひっさげて最後の甲子園にやってきた。