聖光学院(福島)が歴史を塗り替えた。春夏甲子園で5戦全敗の神奈川勢に初勝利。横浜戦も2連敗中だったが、三度目の正直を決めた。1点差で競り勝ち、17年以来5年ぶりの16強入り。先発したエース佐山未来投手(3年)は5安打2失点完投。この日最速の140キロ直球と90キロ台のカーブなどで相手打線を幻惑した。

初回、わずか3球で先制パンチを浴びせた。1番赤堀颯内野手(3年)が初球を左前打。続く高中一樹内野手(2年)も初球で犠打を成功させる。仕上げは3番安田淳平外野手(3年)が、またしても初球の117キロスライダーを右前に運び、先制打を決めた。

2-2の5回無死走者なしでは、先頭赤堀が三塁へのセーフティーバントで出塁する。2番高中の1球目に相手の隙を突いて二盗。高中は右前打で無死一、三塁と好機を広げた。続く安田は二ゴロで併殺となったものの、その間に勝ち越しの3点目を奪った。

2連敗中の横浜に勝利し、斎藤智也監督(59)は「3回目の正直を果たしたいと思っていた。かつて横浜戦でたたかれていたので、何とか縁があって、今回は勝ちたいなと思っていた。とにかくうれしいですね」と声を弾ませた。福島勢としても対神奈川は8戦全敗。聖光学院が福島のプライドを示し、歴史的な1勝を挙げた。