第104回全国高校野球選手権は17日、休養日を迎えた。18日は、準々決勝4試合が組まれている。特に注目は高校通算66本塁打の浅野翔吾外野手(3年)を擁する高松商(香川)と甲子園10勝の山田陽翔(はると)投手(3年)が軸の近江(滋賀)の一戦だ。

    ◇    ◇    ◇

山田は浅野と対決を前に、意外な交流を明かした。「SNSで話したりします。人柄は本当に優しい。本当に野球が好きだと感じました」。滋賀・彦根と香川・高松間に、今夏の主役を結ぶホットラインがあった。グラウンド外でも切磋琢磨(せっさたくま)し合う間柄。その2人が甲子園で対決する時が来た。「(浅野は)レベルの高い選手。学ぶところは吸収して、試合には勝てるように準備したい」と気合十分だ。

エース兼4番として投打でチームを引っ張ってきた。1回戦の鳴門(徳島)戦で今大会最速の148キロをたたき出し、甲子園通算98イニングで98奪三振。荒木大輔(早実)や松坂大輔(横浜)の97Kを超えた。さらに、3回戦の海星(長崎)戦では「4番投手」で史上4人目の満塁本塁打をマーク。投げては、令和初の甲子園10勝を成し遂げた。

そんな鉄腕も高松商戦は厳しい戦いになると予想する。「打線としてもなかなか手ごわい。(浅野を)三振に打ち取ると相手打線の勢いを封じ込められるので、三振を狙いにいきたいけど、まずは長打を許さないことを意識したい」。肉を切らせて骨を断つ。盟友斬りで、夏春夏の3季連続4強を導く。【竹本穂乃加】