横浜が慶応を下し、2季連続で神奈川頂点に立った。試合を決定づける本塁打を放った峯大翔内野手(1年)は「先発の杉山さんをなんとか楽にしたいという気持ちでした。打てて良かったです」と柔らかい表情で話した。

甲子園でも好投した杉山遥希投手(2年)が先発したが、2回までに7安打3失点と打ち込まれた。それでもその後を立て直し、3回以降を無失点に抑えた粘りの投球に、峯の気持ちは奮い立った。

4-3と1点リードの8回2死二塁。8番の峯は3球目のスライダーを振り抜くと、打球は右翼席へ跳び込んだ。貴重な追加点は、練習試合を含めて高校入学初本塁打だった。優勝へ導いた1発を「神奈川を制覇するという目標を掲げていました。頂点に立てて良かったです」と笑顔で話した。

18日にTBS系列で放送された「THEプラチナリスト」内では、佐賀商で甲子園優勝投手になった父・謙介さんがVTR出演。峯から甲子園優勝の決意を込めた手紙が送られていたことが明かされていた。峯は寮で放送を見ることが出来なかったが「友人から動画が送られてきました」と反響があったという。父に誓った目標の達成にまた1歩近づき、「関東大会まで3週間ある。きっちり仕上げてまずは関東を優勝したいです」と力を込めた。

村田浩明監督(36)は峯を「本当に気持ちの強い選手」と評する。今大会中は肺に穴が開くアクシデントがあったが「そんな中『出るんだ』と強い気持ちで乗り越えてくれました。今日も非常に価値のある一打を打ってくれました」とたたえた。

出場が決定している関東大会は10月22日に開幕。関東の強豪撃破に、峯の気持ちは一層燃えている。【阿部泰斉】