今夏甲子園王者の仙台育英(宮城2位)が、宮城勢対決を制して2年ぶり12度目の優勝を飾った。ライバル東北(同1位)を6-3で破り、惜敗した今秋県大会決勝の雪辱を果たした。打線は先発全員安打となる11安打で、最速140キロ超えの3投手による継投も機能。来春のセンバツ出場を確実とし、明治神宮大会(11月18日開幕)出場も決めた。

投打の大黒柱が躍動した。2-0の4回2死一、三塁、4番斎藤陽(ひなた)外野手(2年)が初球を完璧に捉え、右越え2点適時三塁打を決めた。須江航監督(39)は「斎藤陽のライトオーバーが大きかったですね」と結果的に決勝点となった一打を評価した。

投手陣は最速146キロのエース右腕、高橋煌稀投手(2年)の力投が光った。4-3の6回2死二塁から登板。一打同点のピンチを一ゴロで脱すると、3回1/3を1安打無失点に封じた。指揮官は「やはり高橋の安定感はひとつ抜けているんですよね。甲子園の経験と言えば一言なんですけど、気持ちの揺れ動きが見ていてないし、技術的なぶれもない」と信頼を口にした。

東北地区代表として出場する明治神宮大会では、12、14年に続く3度目の優勝を目指す。センバツで東北の「一般枠」は3。仙台育英が明治神宮大会を制すれば、「神宮大会枠」で1増となり、東北勢は4校が甲子園の舞台に立てる。

須江監督は「東北の枠が4枠になるように精いっぱい調整をして、練習して『何としても1枠取ってくるんだ』と強い気持ちで臨みたいです」と力を込めた。メンバー選考の激化を示唆し「僕の感覚で言うと、この大会で合格点をあげられる選手は7人ぐらいしかいないので、11人ぐらい変わる可能性があります」。日本一のチーム内競争が強さの秘けつ。1カ月後、さらなる進化を遂げた仙台育英が秋の全国制覇に挑む。