仙台(宮城2位)が本荘・秋田商(秋田2位)の連合チームに3-2で競り勝ち、初の決勝進出で初優勝を果たした。

池田斉敬(なりたか)投手(2年)が、5回に先制点の口火を切る右二塁打を放ち、投げては8回2失点の好投。7月の宮城大会敗戦後に掲げた目標の「東北大会出場&優勝」を達成し、最終学年の来春や夏に向けてさらなるレベルアップを誓った。

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一関一(岩手)との準決勝から2戦連続で先発した池田斉が、初優勝を呼び込んだ。0-0の4回無死三塁では「ギアを上げて思い切りいった」。相手4番から3者連続で凡打に打ち取り、安堵(あんど)の表情を浮かべてベンチへ。直後の5回先頭では「ピンチを抑えたことで気分がよくて、来た球をしっかり捉えられた」と右二塁打で出塁。同無死二、三塁から高橋元希内野手(1年)の中飛で本塁に頭から滑り込み、先制点をもたらした。

ピンチでも強気だ。1点差にされた直後の8回2死二、三塁、カウントは3-2。四球もちらつく中、捕手の要求通りに内角直球を投じ、高く上がった打球は二塁手のグラブに収まった。8回2失点と大役をきっちり果たした池田斉を、吉田恭介監督(28)は「彼なりに打者のタイミングを見ながら、頑張って捕手が構えたところに投げてくれた。(8回を)最少失点に抑えたことが優勝につながった」と評価した。

秋の公式戦を終え、今後はオフシーズンに突入する。宮城は東北大会出場の東北学院や仙台商といった実力校がひしめき、池田斉は「来年の春や夏は追われる立場になる。1戦1戦、気を引き締めて勝てるように成長したい」と言い切った。ベンチ入りは18人。チーム全体でひと回り大きくなって春を迎える。【相沢孔志】

◆本荘・秋田商(秋田2位) 8月から土日の合同練習や練習試合を経て、絆が芽生えた連合チームが初優勝を逃した。5回に犠飛と野選で2点を先制され、1点を追う9回2死二塁ではあと1本が出なかった。10安打3失点で、3戦連続で完投した本荘・高橋知優(ちひろ)投手(1年)は「疲れなどで浮いた球を外野に持っていかれた。自分の弱点を来年の春や夏には克服したい」と意気込んだ。