19年前、日本一に輝いた駒大苫小牧高の主将は、年男として23年を迎えた。

佐々木孝介監督の描く目標は今年も変わらない。「夏の甲子園に出場して勝ちたいという思いが強い。日本一というよりは、まず出場して勝ちたい。そこに向かっているという感じで常に忘れたことはない」と語気を強める。

04年夏の甲子園で、北海道勢初の全国制覇を経験。駒大卒業後の09年4月からコーチを務め、同8月から監督に就任。今年8月に15年目を迎える。就任当時は22歳だった。「早いなと思う。なにもわからなかったし、ただ一生懸命にやっていた」と照れ笑いする。

あと1歩のところで勝てない時期が続いた。「ずっと決勝に行っていたけど勝てなくて。必死だった」。11年夏の南北海道大会決勝で北海に4-5で敗退。12年秋の全道大会、13年夏の南大会はともに決勝で北照に敗れていた。13年秋の全道大会で当時1年生だった伊藤大海投手(現日本ハム)らを擁し、優勝を果たしたシーンが1番記憶に残っている。

色紙には「感謝」と「変化」と言葉を記した。「コロナ禍でも、変わらずに応援や後押しをしてくれる周囲の方に日々感謝しながら、変化する時代や環境に合わせた取り組みをしていくことも大切に」。監督として14、18年のセンバツに出場したが、夏は3度の南大会決勝敗退で甲子園出場はまだない。「勝ちたい」。気持ち新たに、今年も全力疾走する。【山崎純一】

◆佐々木孝介(ささき・こうすけ)1987年(昭62)1月10日、余市町生まれ。駒大苫小牧では1年秋から内野のレギュラーで2年春夏と甲子園出場。3年時は主将として夏の甲子園で道勢初制覇を果たした。遊撃手で主に5、6番に座り、5試合で21打数9安打、打率4割2分9厘。駒大を経て09年4月に母校のコーチ、同年8月監督に就任した。家族は夫人。