第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場36校を決める選考委員会が27日、開かれる。

21世紀枠で春夏通じて初出場が期待される由利(秋田)は昨秋、初出場の東北大会で8強入り。高齢者住宅の雪寄せなどの地域貢献活動も評価され、東北地区推薦校に初選出された。主力の今野歩夢外野手(2年)、高橋歩夢捕手(1年)の「歩夢コンビ」が念願の甲子園出場を夢見ている。

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運命の「1月27日」は、由利ナインにとって通過点に過ぎない。チームはセンバツ開幕の「3月18日」に照準を合わせて調整中。グラウンドが使用できない現在は、ビニールハウスでの打撃練習にウエートトレーニング、体育館での軟らかいボールを使った捕球練習などを行っている。中堅手の今野は「特に何かを変えることなく待ちたい」と平常心で発表を待つ。

同校は昨年12月、3年ぶり2度目の県推薦を経て、初の東北地区推薦を受けた。周囲から注目を浴びることが増え、高橋は「今まで以上に練習ではひとつひとつ丁寧に行い、効率よく練習できている。自分の行動は周りに見られているので、立派だと言われる行動を頑張りたい」と自覚し、高齢者住宅の雪寄せを1月上旬に実施するなど、地域貢献活動に積極的に取り組んでいる。

高橋が捕手、今野が中堅手とセンターラインを担う2人は、互いのプレーをよく理解している。1学年上のエース右腕・関優来(ゆら、2年)をリードする高橋について今野が「1年生とは思えないくらい、しっかりした守備とリードができている」と言えば、同じ名前の先輩がいることに驚いた高橋は「球際でも捕ってくれて守備範囲が広い。頼りになります」と信頼を寄せている。

昨秋の東北大会準々決勝では、昨夏甲子園4強の聖光学院に延長11回サヨナラ負け。それでも高橋は「自分たちのプレーを、聖光学院が相手でもしっかりできたことは自信につながる」と力を込めた。これまで歩んだ道を信じ、夢の甲子園出場を知らせる吉報を待つ。【相沢孔志】