知徳は投打がかみ合い、天竜に7-0の7回コールド勝ち。昨夏の覇者・日大三島への挑戦権を得た。

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知徳の伊藤大和内野手(2年)が、流れを引き寄せた。2回2死一、三塁。2球連続の内角攻めでカウント0-2と追い込まれたが、ひるまなかった。「逃げてはいけない」。3球目の外角の球をしっかり踏み込んで捉え、左前に運んだ。貴重な先制打。「チームを勢いづけられて良かった」と右手を突き上げた。

初戦の重苦しい雰囲気を吹き飛ばすと、チームはその後も加点。197センチの大型右腕・小船翼(2年)も尻上がりに調子を上げ、5回を無四球無失点に抑えた。2番手の原田勇磨投手(2年)も、2回無失点。最後まで天竜に反撃の糸口をつかませなかった。

「接戦になると思っていた」。初鹿文彦監督(47)の戦前の予想を良い意味で裏切る7回コールドの快勝で、エースの体力温存に成功した。指揮官は「初戦で原田を起用できた事も大きかった」とうなずいた。

中1日で迎える2回戦では、昨夏王者で第2シードの日大三島と対戦する。伊藤は「この勢いに乗って絶対に勝ちたい」。小船も「気合を入れていきます」と力を込めた。強敵との一戦に向け、投打で弾みをつけた。【前田和哉】