仙台城南は2年連続4強の第5シード古川学園に2-1で逆転勝ち。安住馨祐(きょうすけ)投手(3年)が1失点完投で、東北工大電子工時代の92年以来31年ぶり、現校名初の4強入りに貢献した。

古川学園打線を緩急で抑え込んだ。「うまく緩急を使いながら投げられた」と安住。スライダーや1つ上の先輩・対馬温斗(はると)さんから教わったツーシーム、名付けて「ツーシーマ」で内外角に投げ分け、相手を翻弄(ほんろう)。最後は2ストライクから、1球外した直球で見逃し三振に切って取った。安住は「2アウトから逆転されるチームをずっと見てきたので、気を抜けなかった。(最後の)三振を取った後は、安心感がありました」。安心から、思わず雄たけびをあげた。

安住は今月1日、山形の強豪・東海大山形とのオープン戦で8回無失点と好投。昨夏は「背番号11」をもらうも登板がなかったが、1年たち、「背番号1」にふさわしい成長を遂げた。角晃司監督は「安住は本当に頑張ってくれている」と手放しで褒めた。

3回戦で聖和学園に11-1で勝利し、29年ぶりの8強入りを決めてから、「学校に行くと、クラスの友達や先生、まったく話したことのない先生にも『頑張れ』と言ってもらえる」。期待されていることを実感した。安住は「今までお世話になった人たちの思いを背負って、しっかり戦っていきたい」。多くの人の思いを背負い、過去最高を更新する。【濱本神威】

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