延長10回タイブレーク。明豊のアルプスからは歌手のベリーグッドマンが書き下ろした応援歌「個性~明豊 is No.1」が、一時勝ち越し打を後押しした。
昨年11月に不慮の事故で吉川孝成(こうせい)捕手を亡くした。同年8月の宮崎遠征で吉川さんの鎖骨にファウルチップが直撃。意識を失い、その場で倒れ込んだ。約3カ月後。11月5日に息を引き取った。
同曲は、中学からのチームメイト、遠藤大斗内野手(3年)が孝成さんが一番好きだったベリーグッドマンに直接依頼して作られた応援歌で今回初めて吹奏楽の演奏つきで披露された。「試合で歌う曲を作りたいという思いから。まさか引き受けてくれるとは思わなかったのでうれしかった」と喜んだ。
大分大会では吹奏楽演奏はなく、部員の歌声だった。そのたびにベリーグッドマンに報告していたという。「報告するたびに次も頑張ってとかいろんな応援メッセージをくれた。曲が完成したときに『甲子園で歌えたらいいね』と言われた。甲子園で歌うことができて恩返しできた。作ってくださって感謝です」。
大きな力を持った曲だった。2回には4番西村のチーム初安打、延長10回には一時勝ち越しの右前打を呼び込んだ。主将の西村は「あの曲が流れると劣勢の場面でもそれをはねのけるだけの力がすごくある。自信をもって打席に入れる。大丈夫っていう風に思わせてくれます」と力に変えた。
試合はチーム15安打も延長10回、北海に逆転サヨナラ負け。だが亡き友・孝成さんとの聖地で力を出し切った。天国からの応援が聞こえたのかもしれない。
以下歌詞全文
個性輝く仲間と共に
夢にまで見たあの場所へと
辛いこともあった
それでも僕ら力合わせて今日まで来た
後世に残る熱い戦いをしよう
明豊isNo.1
明豊isNo.1