金足農が23年ぶり7度目となる秋の頂点に立った。4-1で迎えた5回2死一、二塁、左翼で先発出場していたエース右腕・吉田大輝投手(1年)がマウンドに立った。「絶対に抑えてやるという気持ちで立ちました」。最初の打者に四球を与え、2死満塁としたが、続く相手4番は3球三振。高めの直球で空を切らせた。

以降も無失点投球を貫き、7回からの3イニングは打者9人で締める完璧リリーフ。最後の打者を空振り三振に切って取った吉田大は、高々と人さし指を突き上げ、歓喜の中心で笑った。

同校OBの兄・吉田輝星投手(22=日本ハム)を擁し、県を制した18年夏以来の県優勝。吉田大は「兄と同じ背番号で、兄と同じ結果を残せた。とてもうれしいです」と喜んだ。兄輝星も成し遂げられなかった秋の秋田を制し、次は地元開催の東北大会(10月16日開幕)へ。令和の「カナノウ旋風」はまだまだ序章だ。