私立校の帝京大可児(岐阜)が東海地区の21世紀枠候補校に選出された。

15年秋からチームを率いる田口聖記監督(55)は「全国の9地区に選んでいただいたことは名誉で感謝している。今までやってきたことが認められてきた」と喜んだ。

今秋は4回戦で今夏甲子園に出場した大垣日大に3-4と惜敗。「ずばぬけた選手はいないですが、投手を中心に粘り強くというのを目指しています」と今年のチームを見る。

昨夏は岐阜大会で準優勝。同校初の甲子園へあと1歩のところまで進み、「足がかかっとったぞといろんな方から言われた。これでも行けんかと、悔しかった」と当時を振り返る。

決勝を見て入学した生徒も多く、今夏も県4強入りするなど県では上位進出の常連校に名を連ねるようになった。田口監督も「先輩が築き上げたものがあるので責任もある」と悲願の聖地出場へ闘志を燃やす。

20年ドラフト5位で加藤翼投手が中日に指名され同校初のプロ入り。23年育成ドラフト3位では加藤大和投手が指名を受けるなど、卒業後はプロ入りする選手もいる。さらに進学にも力を入れており、難関大学へ進学するなど質の高い文武両道を実現している点も評価された。

田口監督も個人としての悲願を目の前にした。過去に指揮を執った豊川(愛知)ではソフトバンクで活躍した森福允彦を擁して03、04年と2年連続で夏の県決勝で敗退。帝京大可児でも昨夏に県決勝で敗れた。豊川は今秋東海王者で来春センバツを確実なものにしており、「一緒に出られたら」とダブル選出を夢見る。

21世紀枠の2校が発表されるのは来年1月26日。田口監督は「こういう機会をいただいたので甲子園に行かせてやりたい。最後の土俵に乗せていただいた。発表に向けて責任を持って心の面も野球の技術も見直していかないと」と決意を語った。

◆帝京大可児 1988年(昭63)創立の私立校。生徒数は590人(女子243人)。野球部は1989年(平元)創部で部員数49人(うちマネジャー3人)。甲子園出場なし。主な卒業生は中日加藤翼、日本ハム加藤大和ら。所在地は岐阜県可児市桂ケ丘1の1。古木純司統括校長。