第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)の出場32校を決める選考委員会が26日、大阪市内で行われる。

21世紀枠による選出は今大会から3校から2校に1減する。01年大会から導入され、各都道府県秋季大会の16強以上を対象に、困難な環境を克服している高校や文武両道に成功している学校、創意工夫の練習で成果を収めている学校などが例年、選出されている。

1減分は一般選考枠に回っている。純粋に“実力・戦績最優先”の出場枠が増える分、21世紀枠の選考基準をどう捉えるかも注目される。

候補校はすでに各地区で9校に絞られている。仙台一(宮城)水戸一(茨城)鶴丸(鹿児島)と地域で広く知られる名門進学校も9校に残っている。

仙台一は私立優勢の宮城大会で上位に入り、東北大会でも好試合を演じた。水戸一は県大会4強。早大野球部初代監督で「学生野球の父」と呼ばれたOB飛田穂洲(すいしゅう)氏の命日が、ちょうど26日になる。

県大会で4強入りした鶴丸は九州屈指の進学校で、ベースボールを野球と和訳した中馬庚氏もかつて教壇に立った。出場となれば99年ぶりの聖地になる。

帝京大可児(岐阜)や岡山城東、大洲(愛媛)は実力に加え、地域貢献の活発さがそれぞれに評価され、最終選考に臨む。

県立中高一貫校の田辺(和歌山)は市和歌山、智弁和歌山の強豪を破って県大会準優勝。こちらも清掃活動や野球振興など地域貢献が盛んだ。

別海(北海道)は生乳生産量日本一の酪農の町から初の甲子園を狙う。吹雪も多い町でビニールハウスなどを活用し、道大会4強。選出となれば甲子園史上最東端の出場校となる。

富山北部は夏、秋連続で県大会準Vと躍進している。全国的に珍しい「くすり・バイオ科」があり、富山県の薬産業の将来を担う人材を育成している。【高校野球取材班】