今大会から導入された低反発バットの影響はあったのか。3試合で長打は、二塁打計6本のみ。2試合がロースコアのまま延長戦と、やはり打ち合いよりも投手戦に偏った。延長11回までいった第1試合。両校計73打数で唯一、外野手の頭上を越える左越え二塁打を放った関東第一・越後は「芯で捉えることができたので、角度が付いた」と振り返った。よく指摘されるように、バットの芯で捉えるかがポイントだった。

関東第一は4回1死一、三塁では、一塁走者だけでなく三塁走者もスタートを切るエンドランを敢行(結果はファウル)。スクイズもたびたびトライした。米沢貴光監督(48)は「全員(低反発バットを)使っているので特に影響はない。これがうちの力」としながらも「1死三塁をつくって『はい、終わり』では点が入らない」と安打が出にくくなった条件でどう点を取るかに苦心。競り勝った星稜の山下智将監督(42)も「今後の試合も見ながら考えたい。(飛ばない)印象はあった」と振り返った。

守備位置はどうだったか。米沢監督は「今日は風が強かったので、そちらを考えた」と話したが、3試合を通じて、外野がやや前よりだったように映った。興味深いのは、近江を7回6安打1失点に抑えた熊本国府・坂井。「細くなった分、今までのファウルが空振りになる」と最大径3ミリ減の利点を挙げた。打たせて取るタイプ。「ゴロが増えた」と次戦も追い風となりそうだ。【古川真弥】

◆低反発バット導入 今春から新基準となる金属バットが導入。「打球による負傷事故(特に投手)の防止」と「投手の負担軽減による(肘、肩などの)ケガ防止」などが目的。「バットの太さ」が最大径は67ミリから64ミリ、「打球部の肉厚化」では従来の約3ミリから4ミリ以上に変更された。