昨春準優勝の報徳学園(兵庫)がセンバツ2大会連続で大阪桐蔭を下し、4強入りを決めた。昨秋近畿大会で同校にKOされた今朝丸裕喜投手(3年)が9回5安打1失点で完投勝ち。2年連続のベスト4進出へチームを導いた。星稜は8強唯一の公立校・阿南光(徳島)を破り、石川県勢初の春4強進出。高崎健康福祉大高崎(群馬)、中央学院(千葉)も4強入りした。準決勝は休養日をはさんで、30日に行われる。

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プロ注目右腕が、5カ月前の雪辱を果たした。報徳学園の長身右腕・今朝丸が「西の横綱」に9回5安打1失点で完投勝ち。昨秋近畿大会で7回途中4失点でKOされた相手を寄り切った。「やられた分、取り返そうと強い気持ちで臨みました。秋のリベンジを果たせて良かった」。すっきりした表情だった。

昨年10月28日、大阪桐蔭との近畿大会準々決勝に先発したが、7回途中4失点。センバツ当確ランプを灯せず、険しい表情で球場を去った。

冬は体重増とメンタル強化に励んだ。初回1死二塁、質の向上した高め直球で徳丸を空振り三振。「今日はいける」と手応えを得た。2-0の8回に1点を返されたが、女房役の徳田が二盗を刺しバッテリーでほえた。「本当に助かった。秋は気持ちに余裕がなかった。甲子園でもピンチの場面が絶対来ると思っていた」と動揺はなかった。

「ド」がつくほどの天然キャラ。チームで研究し尽くしたはずの相手校のエースも、試合当日になって「エース、だれやったっけ?」と首をかしげ、味方は「あれだけミーティングしてるのに…」と苦笑い。ただ、マウンド上ではマイペースで動じない。根っからの投手タイプで、この日も強気の投球でねじ伏せた。

甲子園6試合目の登板で初完投。お立ち台にも初めて上がり「マウンドより緊張した」と笑った。強豪ひしめくブロックを勝ち抜き、準優勝の昨春に続く4強入り。「今日が一番大きなヤマ場だと思っていた。勝ち抜けたので日本一を取る意識が強く持てる。強い意識を持って戦っていこうかな」。春夏4度目の悲願まであと2勝だ。【林亮佑】

◆大阪桐蔭に連勝 報徳学園が甲子園では昨年春の準決勝(7-5)に続き連勝。大阪桐蔭に甲子園で2勝した学校は初めて。