星稜があと1歩で県勢初の決勝進出を逃した。2回2死三塁から中島幹の遊撃内野安打で先制するなど序盤で主導権を握ったが、7回に逆転を許し、1点差で惜敗。山下智将監督(42)は「選手たちはよく頑張ってくれましたけど、悔しいです」と下唇をかんだ。これで新チーム始動から続いていた公式戦の連勝は「16」でストップした。

昨秋の明治神宮大会を制し、優勝候補に挙げられて臨んだ大会だった。ただ、秋から絶好調だったエース佐宗が、2月末にインフルエンザに感染。1週間の療養を経て復帰も、本調子に戻らないまま甲子園に入った。この日は1人で投げきり、5失点で完投負け。左腕は「ふがいない投球ばっかりしてしまった。夏に絶対戻ってきて、エースらしいピッチングができれば」とリベンジに燃える。

1月には地元が能登半島地震で被災し、全力プレーで勇気を届けようと臨んだ大会で4強入りまで勝ち進んだが、指揮官は「逆に(石川から)力をもらったような気はしますね」と感謝の思いをつづった。春夏通じて悲願の初優勝へ、石川に戻って鍛錬を積む。【古財稜明】