高崎健康福祉大高崎(群馬)が、春夏通じて初の甲子園優勝を果たした。

報徳学園(兵庫)とのセンバツ決勝は1回に2点を先制されるも、逆転勝利。かつて“機動破壊”で注目を浴びたチームは、低反発バットが導入された今大会で強い適時打を重ねるほど進化した。野球愛好会の顧問からスタートした青柳博文監督(51)は涙。群馬県勢はセンバツ初優勝で、競り負けた報徳学園は戦後初の2年連続準優勝に終わった。

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22年ぶり3度目の優勝を目指した報徳学園は、またしても「壁」に阻まれた。1点差の惜敗で、1933年の明石中以来91年ぶりの2年連続準優勝。先発で8回6安打3失点の力投も完投負けを喫した今朝丸裕喜投手は「悔しいっていうひと言です」。試合後に三塁側アルプス席の応援団にあいさつした際には、目を充血させ悔し涙を流した。

一瞬の隙を突かれた。初回に味方打線が2点を先取。右腕は「正直安心した部分も結構ありました」と振り返る。初回2死一、二塁から5番森山に左中間越えの2点二塁打を浴び、同点に追いつかれた。3回1死三塁から高山に右前適時打を浴び勝ち越し点を献上。4回以降はギアを上げ、8回にはこの日最速の149キロを計測したが、手放した流れは戻ってこなかった。

6回の攻撃が勝負の分岐点となった。1点ビハインドで無死二、三塁の好機をつくりながら、ヒッティング作戦が失敗し、まさかの無得点。大角健二監督(43)は「逆転を意識して、一気に2点を取りにいくという欲を出してしまった。私の甘さ、判断ミスでした」と悔やんだ。

17年の監督就任から初優勝を2年連続で目前で逃し「選手たちはよくやってくれました。去年は半分自信、半分悔しい感覚でしたけど、今年は悔しさ、反省100%です」と下唇をかみしめた。今朝丸は「夏にもう1回ここに戻ってきて、優勝するっていう目標を立てて、1日1日の練習をやっていきたい」。夏こそ“シルバーコレクター”を返上する。【古財稜明】

◆2年連続準優勝 報徳学園は昨年に続き準優勝。センバツでは同じ兵庫県勢の明石中が32年決勝で●0-1松山商、33年決勝で●0-1岐阜商と続けて以来、91年ぶり2度目。

【センバツ】健大高崎が群馬県勢初の春制覇 報徳学園、2年連続準優勝/詳細