昨秋優勝の藤枝明誠が島田樟誠を9-0の8回コールドで下し、4年連続の静岡県大会出場を決めた。先発の日吉結雅投手(3年)が7回3安打無失点と好投し、勝利に貢献した。浜松開誠館は袋井商に7-0で快勝し、4年連続の県切符獲得となった。静岡市立、聖隷クリストファーも勝利するなどこの日、26校の県進出が決定。敗れたチームは6日の敗者復活戦に回る。

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藤枝明誠のエース候補が、好発進した。今大会初登板初先発の日吉が、7回無四球無失点と好投。チームを県大会へと導いた左腕は「テンポ良く、しっかり(ストライク)ゾーンで強気に勝負できた。素直にうれしい」と笑顔を見せた。

県王者として臨んだ昨秋の東海大会は、4強に終わった。準決勝で愛工大名電(愛知)に6-10で敗れた。3回途中から2番手で登板した日吉も3回2/3を投げ、8安打5失点を喫した。「(球に)キレがなく、かわしにいった変化球も打たれてしまった」。

冬は握力や手首などを徹底的に鍛えた。課題克服に励むと、この日、スライダーを軸に相手打線を翻弄(ほんろう)。単打のみの散発3安打に封じた。「スライダーでカウントも空振りも取れた。感覚は良かった」と成長を実感。光岡孝監督(45)からも「無四球で抑えたことが良かった」と褒め言葉をもらった。

創部初のセンバツ出場まであと1歩だったチームは「最低でも県4強」を目標に、今春の戦いに挑んでいる。日吉は「夏に向けて、もっと弾みがつくような投球、試合をしていきたい」と浮かれず、先を見据えた。【前田和哉】