侍ジャパン入りへ猛アピールする。野球のU18日本代表候補選手強化合宿が4日から3日間、行われる。

北海道からは最速142キロ左腕の高橋幸祐投手(北照3年)が唯一参加。自慢の直球、カーブ、スライダーに加え、新球チェンジアップも駆使し、日本代表が2連覇を目指すU18アジア選手権(台湾)への生き残りを誓った。

関東合宿中の北照は3日、多くのプロ野球選手を輩出してきた横浜と練習試合を行った。高橋は4回無失点に抑え、代表候補合宿先に向かった。「夏に上林(弘樹)監督を甲子園に連れていくため、全国レベルのピッチャーの投球の全てを吸収してきます」と力強く言った。

今春のセンバツ甲子園出場がかかっていた昨秋の全道大会1回戦で、旭川実に敗れた。タイブレークの延長10回裏にロッテ育成・田中楓基投手の弟で、プロ注目の右腕・田中稜真投手(2年)に136キロ直球をはじき返された。逆転サヨナラ2点二塁打で、春の大舞台への夢が消滅した。「あの時から人が変わった。(冬のトレーニングで)体重も6~7キロ増えたんじゃないか」と神林監督は言う。

入学時に120キロ程度が限界だったバーベルは、170キロが上がるようになった。3月に練習試合で久々にユニホームを着ると、太ももがはち切れそうなほどだった。「出力が上がって、真っすぐ(直球)のボールの質が着実によくなっている」。この時期の練習投球で早くも142キロを計測するなど、成長は数字にも表れている。

直球、カーブ、スライダーの3種だった球種に、右打者からシュート気味に逃げていくチェンジアップを加えた。中学時代にソフトバンク前田悠伍投手の球を受けていたチームメートの寺畑旺盛捕手(3年)から前田のチェンジアップの握りと投げ方を教えてもらい、投球の幅が広がった。「小さい時からの夢ですし、秋のドラフトも意識しています」と言う。

小学校時代に料理教室で学んだ得意のお菓子作りは、しばらく封印。「甲子園も、アジア選手権の代表も、プロ選手になる夢も全てかなえるので、今は他のことは考えていません」。“候補”の文字を消し、本物の“侍”になるまで、野球道を究める。【中島洋尚】

◆高橋幸佑(たかはし・こうすけ)2006年(平18)12月31日、札幌市生まれ。横浜茅ケ崎台小1年の時に茅ケ崎エンデバーズで野球を始める。茅ケ崎中3年で横浜市選抜に選出され、県大会優勝で全国大会出場権を得るも、新型コロナウイルス感染拡大のため大会が中止。北照高では2年春の小樽地区予選で初のベンチ入り。目標の投手はオリックス宮城。左打ち左投げ。178センチ、81キロ。家族は両親と姉。