東海大静岡翔洋が、県勢初の日本一に挑む。7日に東京ドームで行われる全国高校女子硬式野球選抜大会決勝で、昨年全国3冠を達成した神戸弘陵(兵庫)と対戦。チームトップの打率5割2分6厘をマークする「1番」井戸穂花外野手(3年)が、女王撃破のカギを握る。

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東海大静岡翔洋の1番・井戸が突破口を開く。今大会は、ここまで5試合で19打数10安打の打率5割2分6厘をマーク。3番・川満芽衣内野手(3年)も打率4割を超えるなど中軸も好調なことから、得点数も「11」を数える。絶好調のリードオフマンは「出塁すれば得点になる。決勝も自分次第。初回から積極的にいきたい」と意気込んだ。

昨年末の里帰りが“上昇カーブ”のきっかけとなった。「全然ダメだった」と打撃不振を抱えて岐阜の実家に帰省。美濃加茂高で甲子園を目指した2人の兄から助言を受け、打撃フォームを変更した。構えた時に立たせていたバットのヘッドを寝かせたことで「スムーズにバットを出せるようになった」。年明け最初の練習試合で2安打をマークすると、状態は右肩上がりとなった。

対する神戸弘陵は、120キロ台の直球を誇る左腕、伊藤まこと投手(3年)を中心に、ここまで全4試合無失点と堅守が光る。チームは、準決勝翌日の先月29日から、伊藤対策として打撃マシンの球速を上げて練習。井戸は「良い感じで振れていると思う」と手応えを口にし、決戦に向けた最終調整も順調だ。

21年の創部から「笑顔で日本一」を目標に掲げてきた。達成まであと1勝。「簡単ではないことは分かっているけど、チャンスが目の前にある。全力で取りにいきたい」と力を込めた。桜満開の春。東京ドームで笑顔の花を咲かせるべく、初優勝への道しるべとなる。【前田和哉】

○…エース垣崎瑠依(2年)も手応えを持って大一番に挑む。今大会は全4試合に先発し、現在3戦連続完投中。V候補のクラーク仙台(宮城)を破った3回戦では延長8回4失点と踏ん張り、準決勝の蒼開(兵庫)戦は7回1失点と好投した。大会を通して調子を上げる右腕は「神戸弘陵は、初球からバンバン振ってくる。今まで以上に気持ちを入れて投げたい」と腕をぶした。