野球のU18(18歳以下)日本代表候補は6日、奈良県内で行っていた強化合宿を打ち上げた。

合宿参加者の1人、今春センバツ8強の阿南光(徳島)の最速146キロ右腕・吉岡暖投手(3年)はこの日、キャッチボールや守備練習、体幹トレーニングに汗を流した。自身が「世代ナンバーワン」と憧れる広陵(広島)の高尾響投手(3年)と3日間で親睦を深めた。高尾のカットボールを土産に、今夏のU18アジア選手権出場を目指す。

共にプロ注目投手だ。「世代ナンバーワンの球を見ておかないと。人と違う球で、速いし伸びてくる。捕るときも普通に怖いです」。高尾をキャッチボール相手に誘った。ずっしりと重たい高尾のボール。捕球を繰り返すと、左人さし指はパンパンに腫れるという。

吉岡の持ち球のカットは縦に曲がる軌道。高尾は「胸の高さからひざぐらいまで落ちるので、甲子園で見ていても縦スラと思った」と告げると、吉岡自身も「今までは縦に曲がっていた」と振り返る。吉岡は高尾に「カットボール教えてくれ」と頼み込んだ。斜めや横に曲がる高尾カットを学び「世代ナンバーワンのカットを教えてもらって即投げました」と笑みが弾けた。

5日の紅白戦では打者6人から4三振を奪う好投を見せた吉岡。練習や宿舎で各選手と交流し「暖(はる)」の読み方をもじり「ダン」と呼ばれた。代表入りについて吉岡は「自分は選ばれたいですけどたぶん無理です」とレベルの高さを痛感しているが、高尾は「またキャッチボールできたらいいな」と顔を見合わせ、次は味方として投げ合う日を心待ちにしている。【中島麗】