クラーク仙台の入学式が10日、仙台市福祉プラザで行われ、新入生12人が女子硬式野球部に入部した。二松学舎大付(東京)のドラフト候補、片井海斗内野手(3年)の妹・片井凪海(ななみ)や、地元・宮城デイジーズで全日本中学女子軟式大会で準優勝投手に輝いた伊藤結月らが制服を身にまとい、入学許可証を授与。昨秋、初の全国制覇を果たした同校は、再び全国の頂点に向けて始動する。

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全国制覇を夢見て、強豪校の門をたたいた。これまで、準優勝が最高成績だったクラーク仙台がついに昨年、第14回全国高校女子硬式野球ユース大会で全国の頂点へと立った。これが、片井凪が同校を志す大きなきっかけとなり、「明るく楽しい野球をする先輩やコーチの雰囲気が良かった」と入学を決意した。

中学時代は練馬北シニアに所属し、唯一の女子部員としてプレーしてきた片井凪にとって、女子野球は初挑戦。ポジションは投手と内野手をこなし「毎回先発出場して、チームに欠かせない存在になりたい」と意気込んだ。

かっこいいお兄ちゃんからライバルへ。二松学舎大付で、今秋のドラフト候補の兄海斗は、同校で1年生から4番を務める。22年夏の甲子園2回戦、社(兵庫)戦では、甲子園初安打となるソロ本塁打を放ち、勝利に貢献。夏の甲子園の1年生4番の本塁打は、83年清原和博(PL学園)、10年萩原英之(九州学院)に次いで、3人目となる快挙だった。

兄の影響で小学1年から野球を始めた片井凪。弟、妹も野球を始め、4きょうだい全員が野球をしている。卓越したバッティングセンスを誇る兄から、スイングや選球眼を教わり、自宅駐車場などで練習をしている。

「兄はいろんな人の前に立ってプレーしていてかっこいい」と照れ笑い。これからはともに頂点を目指す、良きライバルへ。「兄よりも先に日本一を取りたい」と誓った。【木村有優】

◆片井凪海(かたい・ななみ)2009年(平21年)2月4日生まれ、埼玉県朝霞市出身。小学1年で野球を始め、朝霞三中時代は練馬北シニアでプレー。ポジションは投手、内野手。右投げ右打ち。身長165センチ。家族は両親、兄、弟、妹。