NPB4球団のスカウトが見守るなか、プロ注目の早実・宇野真仁朗内野手(3年)が、3試合連続の本塁打で高校通算58本塁打とした。

0-3の9回2死。直球をはじき返し、左越えソロで反撃に出た。しかし後続が倒れ、8強進出には届かなかった。宇野は「自分が打たないとっていう責任に負けてしまった。チャンスで打てなかったのが悔しい」と、反省を口した。宇野は今大会から木製バットを公式戦でも使用。木製バットでの本塁打はこれで3本目となった。

今春センバツから低反発バットが導入された。なおも木製バットを使用する理由については「逆に低反発の方が振りにくい感触で。しなりもあるので、木のバットを使ってるって感じです」と笑顔で話した。

将来については「もちろん高校からでも大学からでもプロに行きたいと思っていますけど、とにかく今の目標は夏の甲子園に出て、その上でアピールできるように。まずはチームのためにできることを探していきたいなっていう感じですね」と、丁寧な口調で話した。

視察に訪れたヤクルト橿渕聡編成部スカウトグループデスク(49)は「木のバットで、すでに2本(この試合で3本)打っていて力がある。打球は金属バットを使っている他の選手と遜色ないですね。高校生の中だと頭1つ、2つ抜けている印象です」と語った。

和泉実監督(62)は「結局宇野が打てないとこういう試合になっちゃう。宇野もマークが厳しいので、簡単な球はなかなか放ってくれない。もう少し戦力を整えていきたい」と、夏に向けてチームの底上げを誓った。【佐瀬百合子】