日本高野連は19日、大阪市内で今夏実施する第106回全国高校野球選手権大会(8月7日開幕、甲子園)に関する第2回運営委員会を開催し、大会の一部日程で暑さ対策として、午前と夕方に分けて試合を実施する「2部制」の導入を決定したことを発表した。

1日3試合が組まれる大会初日から第3日までの3日間限定。午前、夕方で観客を完全に入れ替え、入場券もそれぞれ発売される。

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夏の甲子園の暑さ対策として今夏から導入が決まった「2部制」の実施は、2年前から検討が始まっていた。22、23年の大会を参考にシミュレーションを行い、実現にこぎ着けた。話し合いを重ねる中で、朝日新聞社の志方高校野球総合センター長は「暑い時間帯を避けるということに対して『それはダメだ』っていうような声はなかった」と全会一致で導入が決まった。

これまでも熱中症の対策は講じてきた。20年からは白スパイクの着用が許可され、23年春からは10回からタイブレーク制を導入した。昨夏はクーリングタイムを設け、5回終了時に10分間、水分補給や体を冷やすスペースを設置するなど万全な対策を喫した。また、今大会からは第1試合の出場2校に対し、早朝の起床によって朝食を十分に食べず、低栄養によって熱中症の症状を発症する選手が散見されたことから、主催者が試合前に補食を提供することも新たに決まった。

今回のルールで1日4試合制での「2部制」を行った場合は、試合終了時刻が午後10時ごろになる可能性も高く、他にも課題は出てくることだろう。ただ、1歩を踏み出さなければ、何も始まらない。新時代に対応していくための、大きな決断を下した。【アマチュア野球担当=古財稜明】