大分県の大分自動車道のバス事故で、野球部監督の教諭重光孝政さん(44)が死亡、部員ら23人が重軽傷を負った県立森高校(同県玖珠町)で11日、全校集会が開かれ、参加した約350人の生徒らが重光さんに黙とうをささげた。

 山崎隆典校長が、熱心に指導に取り組んだ重光さんの人柄を振り返り「亡くなった先生が望んでいるのは、あなたたちが迷わずそれぞれの道を進むことです」と呼び掛けると、会場の体育館からはすすり泣く声が漏れた。

 10日夜には、重光さんの通夜が同県国東市の葬祭場で営まれ、教え子や高校野球関係者ら1000人余りが参列。重光さんが以前勤めていた県立国東高校の野球部で指導を受けた男性(28)は「親元を離れ寮暮らしをしていた自分のことを何かと気に掛けてくれた。本当に残念です」と声を詰まらせた。

 一方、同校は10日、開催中の全国高校野球選手権大会大分大会に出場することを決めた。部員や保護者ら約60人が大分大会への対応を協議、出席者から「重光先生の野球を多くの人に見てもらいたい」と出場を望む意見が出されたという。

 県高野連は10日、事故に遭った生徒らに配慮し、12日の森高の初戦を延期、13日の1回戦最終試合に変更した。

 事故は9日午後、大分大会開会式を終えて帰る途中に起きた。