<高校野球宮城大会:宮城農3-2多賀城>◇1回戦◇11日

 東日本大震災の津波で校舎が壊滅した宮城農が、震災発生から4カ月の節目にサヨナラ勝ちを収めた。

 生徒は間借り先の柴田農林(大河原町)亘理(亘理町)加美農(色麻町)に分かれて授業を受け、グラウンドは今もガレキで埋まっている。逆境を乗り越え、9回裏1死二塁からサヨナラ二塁打を放った藤欠徳剛一塁手(3年)は「住んでいた寮が壊滅する被害を受けました。自分が勝利を決めてやろうと思っていた」と笑顔。赤井沢徹監督(31)は「震災の影響を言い訳にしたら、支援してくれた方々の顔が立たない。感慨深いものがあります」と初戦突破に安心した様子だった。