<全国高校野球選手権:光星学院5-0作新学院>◇19日◇準決勝

 作新学院(栃木)の応援席には古豪らしく、49年前に史上初の春夏連覇を達成した時のメンバーらが顔をそろえた。試合には敗れたが「胸を張ってほしい」と健闘した選手たちをねぎらった。

 連覇時に右翼手だった栃木県栃木市の自営業鈴木克也さん(66)は、その時にプレーして以来の甲子園。18日の準々決勝後、控え捕手だった同県日光市の無職佐藤忠信さん(67)に誘われ、急きょ駆け付けた。「テレビを見て居ても立ってもいられなくなった。懐かしい」と感慨深げにグラウンドを見つめた。

 正捕手として連覇を支えた栃木市の無職田中健次さん(67)も半世紀ぶり。「一つ勝てばいいと思っていたが、全員野球で一戦一戦成長した。堪能できた」と話した。

 53年前の初出場で4強に進み、エースとして準決勝では徳島商の投手で現在タレントの板東英二(71)と投げ合った東京都江東区の無職大嶋孝さん(71)の姿も。「作新の伝統は投手力だったが、今年は打撃でここまできた。胸を張って帰ってほしい」と後輩たちをねぎらった。

 同校OBでもある小針崇宏監督(28)は試合後「あらためて優勝旗がどれだけ遠いものなのか、先輩たちの偉業がどれほどすごいことなのかを感じた。また一歩ずつ歩んでいきたい」と語った。