<練習試合:清峰5-1佐賀商>◇8日◇佐賀市・佐賀商グラウンド

 第81回選抜高校野球大会(21日から12日間、甲子園)に向かって練習試合が8日に解禁され、13日の組み合わせ抽選会を前に続々と実戦に入った。大会NO・1右腕の長崎・清峰今村猛投手(2年)は早くも本領発揮。佐賀商戦に先発して7回を投げ14奪三振、無四球、無失点の快投だった。

 面白いように打者のバットが空を切った。4カ月のブランクなど全く感じさせず、清峰の今村がリズムよく投げ込む。7回に14個目の三振で締めくくり、97球で役目を終えた。

 「楽しかったです」。昨年11月の明治神宮大会以来となる実戦に、今村は笑顔で話した。初回にいきなり連続三振でスタート。6安打は許したが、直球も変化球も低めにコントロール。毎回三振を奪い、無四球、無失点の投球だった。「15個目の三振が取れればよかったんですけど」と口をとがらせたのも好調の証しだ。「練習では6~7分のできでも、試合で結果を出すので成長した。ホッとしています」と吉田洸二監督(39)も頼もしそうに見詰める。

 今村を目当てに3球団のスカウトが足を運んだ。「体が大きくなって直球の質がよくなっている。センバツが楽しみ」と広島田村スカウト。冬場の朝練習で毎日インターバル走やタイヤ押しをして下半身を強化した成果が、きっちり投球に表われていた。

 早くもエンジン全開の今村は「センバツの目標は優勝です」と堂々と宣言した。その右腕で、3年前の決勝で大敗した先輩のリベンジを目指す。【前田泰子】