<高校野球京都大会:京都両洋7-5鴨沂>◇9日◇1回戦◇わかさスタジアム京都

 京都両洋が、今春創部した女子野球部に負けじと、甲子園初出場に向け白星発進した。

 昨夏、秋の府4強に貢献したエース横垣勝太投手(3年)が9安打5失点と苦しみながらも、169球を投げ完投。打線も菊地聖矢一塁手(3年)の本塁打などで7点を奪い、鴨沂(おうき)を振り切った。

 横垣は「出来は良くなかったが、周りの声に助けられました」と他のナインに感謝した。チームは、京都市内の学校から約2キロ離れた三菱自動車のグラウンドを借りて練習している。時間の制約もある中、昨秋からはサッカーやバレーボールなど他競技も練習に取り入れるなど工夫を凝らす。前日には、全員で映画「男たちの大和」を鑑賞。チームワークの大切さなどを再確認して試合に臨んだ。

 今春、同校に女子野球部が創設され、関西大会で4位に入るなど注目されている。高木英臣監督(42)は「(女子に注目が集まり)ちょっと寂しい思いをしているので(笑い)僕らが頑張ることで振り向かせたい」と話す。菊地も「女子に負けられない気持ちはみんなが持っていると思います。両者が頑張れば相乗効果が生まれるはず」と前向きだ。

 観客席では、その女子野球部員11人が応援。キャプテンの越野志都瑠内野手(1年)は「私も選手でダメならマネジャーでも甲子園に出たかった。今は女子野球の環境もできた。(男子には)ぜひ甲子園に行ってほしい」とエールをおくった。互いに刺激を受けながら、レベルアップする。【高垣誠】