<高校野球山形大会:天童8-4九里学園>◇16日◇2回戦◇荘銀・日新スタジアム

 天童は九里学園を下し、2戦連続の逆転勝ちで3回戦進出を決めた。山形東との初戦同様、2年生右腕・村形力都が6回から救援。4回を3安打無失点に抑えて逆転勝利につなげ、連続白星をものにした。

 今夏「逆転の天童」のシナリオが出来上がった。3-4の7回表。単打5本に敵失を絡め、打者9人で一挙4点を挙げて逃げ切った。0-2の6回から逆転した初戦同様の投手リレー。エース片桐友宏(3年)に代わり、6回代打から途中出場して2戦連続の勝ち投手になった村形は「仲間に“おいしい所取り”と言われました」と恐縮した。

 身長182センチの恵まれた体格。まだ2年生だが大物感も漂わせる。4回を1安打0封した初戦から計8回を4安打無失点。連打を許さなかった。代わりばなの2球目は自己最速の132キロでストライクを奪った。横手投げ気味だった昨年から、上手投げにフォーム改造。村形は「県内最速の140キロ以上を目指しています」と毎日、容量2リットルの弁当箱を平らげ、肉体改造に取り組んでいる。

 バッテリーのガッツがチームを乗せた。女房役の斎藤健太捕手(2年)は、7回表2死満塁から2点適時打でガッツ。一方の村形も9回、最後を三振で締めて天を仰いで雄たけびを上げガッツ。4安打2打点の斎藤は「いつもは打てないけれど、油断している9番に打たれると崩れると思う」と、してやったりだった。

 あと1勝でチーム記録の夏8強に並ぶ。垂石啓一監督(41)は「その気になってやってもらいたい」と、勢いに乗ってきた逆転軍団に期待した。【佐々木雄高】