<高校野球宮城大会:仙台育英5-1古川学園>◇18日◇4回戦◇Kスタ宮城

 光り輝くラッキーボーイの誕生だ。仙台育英・星隼人左翼手(3年)が、古川学園戦の5回二死満塁から中前へポトリと落ちる先制適時打。これが決勝点となり、2試合連続の先制&決勝打でチームを10年連続の8強に導いた。石巻出身選手として、敗れた仲間の思いも背負って甲子園を目指す。

 その名の通りキラリと光る、星の一打だった。5回2死満塁、外角低めボールゾーンのフォークにバットを伸ばす。右膝が地面につくほど重心を落として強引に振り切り、中前へポトリ。泥くさい2点適時打で均衡を破った。「相手がフォーク主体だったんで、食らいついていきました。気持ちでいけば何とかなる、と。場面も場面なんで良かったです」と声が弾んだ。

 結果的にこれが決勝打。塩釜との3回戦でも先制の適時二塁打を放ち、これまた決勝点になっていた。実は東北学院との初戦では1回1死一塁から二塁打でチャンスを広げ、先制につなげている。佐々木順一朗監督(52)が「3試合連続の先制打でしょ?

 星の巡りがいいね」と勘違いするほどのラッキーボーイぶり。本人は「今日はあの1本だけですし…。野球以外でツイてることなんてないです」と恐縮しつつ「ツキがあって野球で結果が出てるならそれでいいですね」とまんざらでもない様子だ。

 蛇田中時代は石巻中央シニアに所属。石巻工が出場した今春センバツは「出られなくて悔しいというより、地元の代表として応援してました」と振り返る。開会式では同じ中学だった赤間広弥捕手や木村奈々マネジャーと世間話で盛り上がり、シニアで一緒だった斉藤大晃中堅手(いずれも3年)の父には「決勝で戦おうな」と激励された。その石巻工が敗退し「チームが勝つことがすべてだけど、石巻の代表として(甲子園に)という気持ちもあります」と石巻魂を受け継ぐ覚悟を決めた。仙台育英の星から石巻の星へ-。自慢のバットで聖地を引き寄せる。【亀山泰宏】