<高校野球春季青森大会:八戸工大一9-1八戸西>◇10日◇八戸地区代表決定戦◇八戸市東運動公園野球場

 八戸工大一が八戸西を下し県大会出場を決めた。1-1で迎えた5回表、4番内山太嗣(たいし)捕手(2年)が右翼席に2ランを放った。内山は8回にも中前適時打を放ち5打数2安打3打点。捕手としてもエース鶴飼雄喜(3年)を好リードし、6安打1失点に抑えた。

 内山の1発が流れを変えた。それまでチームはチャンスを生かせず、1-1の同点。ムードが悪かった。内山自身も1回と3回、ともに2死三塁のチャンスで凡打に終わっていた。5回表1死一塁、外角高めの初球をたたいた。打球は右翼芝生席に弾んだ。

 スタメン中、右打者は内山を含めて3人だけ。普段から「外の球をしっかり右方向に打つことを心掛けている」という内山。この日はレフトからライト方向への風が強く、右方向への打撃が功を奏した。この2ランで打線は目覚め、後半は得点を重ねた。

 内山は「あそこで打ててよかった」とにっこり。強肩、好リードの捕手で2年生で4番を打つ。投手もやり、最速は140キロ以上。昨年は三塁手もこなした。県大会出場を決め、「夏の甲子園が目標だけど、春の県大会から優勝を目指す。もちろん東北大会も」と先をにらんだ。【北村宏平】