<高校野球大阪大会:大阪桐蔭9-0狭山>◇24日◇5回戦◇南港中央

 大阪桐蔭は、今夏初登板の元エース高西涼太(3年)が狭山を7回1安打無失点に封じ、7回コールドで3年連続8強入りした。

 こんな投球を待っていた。復活を待ち望んだチームに、高西は7回完封で応えた。6回まで完全投球。7回に先頭打者に初安打を許し2四球で1死満塁の走者を背負ったが、最後は9個目の三振締め。「真っすぐで空振りを取れたし、自分が得意な外角中心の組み立てで抑えていけました」と今夏初登板を振り返った。

 昨秋の新チーム発足時、前エース藤浪晋太郎(阪神)から背番号1を受け継いだのは高西だった。1番にふさわしい球威があった。昨春から公式戦登板の経験も積んだ。ただ、気持ちの強さが足りなかった。昨秋近畿大会から1番は葛川知哉(3年)のものになった。選抜大会後の春の近畿大会府予選はベンチも外れ、試合後は荷物運びなどサポートに走り回った。

 背番号11で復帰した高校最後の夏。森友哉、久米健夫(たてお=3年)と2人の捕手が「高西の球威が必要」と推し、この日の出番が巡ってきた。西谷浩一監督(43)も「ぼくの考えとも合致した」と、マウンドに送り出した。試合中は今秋ドラフトの目玉捕手がリード。「明らかに甘いコースに行ったときも、森が『OK、OK、いい球やぞ』と言ってくれたから、次の球をコースに決めることができた」と、眠れる力を引き出してくれた主将に感謝した。【堀まどか】