第96回全国高校野球選手権山形大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が26日、行われた。庄内総合と加茂水産の連合チーム庄総・加茂がギリギリの9人で公式戦初勝利に挑む。

 庄内総合の8人と加茂水産の1人で構成される庄総・加茂が、山形大会開幕試合で公式戦初勝利を狙う。昨夏後に両校とも部員不足に陥り、秋の大会から連合チームで戦ってきたが、まだ公式戦勝利はない。連合でも主将を務める庄内総合の斎藤憲作(3年)は「合同でも単体でもやることは一緒。元気を出して全員野球で全力プレーしたい」と7月11日の1回戦の谷地に闘志を燃やす。

 創部64年目の加茂水産は、田中宏樹主将(3年)が1人で伝統を守ってきた。大会ではそれぞれのユニホームで試合に臨む。庄内総合は白基調だが、3番、遊撃手の田中はただ1人水色のユニホームに身を包む。「目立つのはいいことです。チームの中心になってスイミーのような働きをしたい」と水産高の生徒らしく、小魚をモチーフにしたオランダの人気絵本を例に決意を明かした。

 昨秋、エース遠田萌(3年)が左手首を骨折して二塁手にコンバートされた。代役は1年生の茂木玲が務める。斎藤憲、田中両主将は「しっかりサポートしてやりたい」と口をそろえた。【佐々木雄高】

 ◆スイミー

 オランダ出身のレオ・レオニの絵本。谷川俊太郎訳の日本語版のタイトルは「スイミー-ちいさなかしこいさかなのはなし」。兄弟は赤いのに1匹だけ黒い体のスイミーはある日、大マグロに兄弟を食べられてしまう。1匹だけ助かったスイミーは旅の途中、マグロにおびえる兄弟そっくりの赤い魚たちと出会い、みんなで協力して大きな赤い魚をまねる群れをつくり、自分は黒い目になって活躍する。