<高校野球長崎大会:創成館7-2壱岐商>◇16日◇2回戦◇長崎県営

 コツコツ打線で再び甲子園だ!

 今センバツに出場した創成館が、10安打7得点で壱岐商を下し初戦を突破した。センバツでは1回戦で駒大苫小牧(北海道)に0-3で完封負け。3安打しかできなかった打撃の改造が実り夏本番で活性化した。エース広渡勇樹投手(3年)ら投手陣の成長もあって投打に快勝した。

 創成館が「コツコツ打線」で快勝発進した。1-1で迎えた7回。連打や相手のミスなどでつくった1死満塁のチャンスで、5番小野田弥啓内野手(3年)は、内角直球をコンパクトなスイングではじき返し左越え三塁打にした。一気に3人が生還し、粘る壱岐商を突き放した。元九州三菱自動車監督の稙田(わさだ)龍生監督(50)は「よくつながった。集中打が出て、小野田がよく打ってくれた」とニヤリ。「振りが大きかったので、コンパクトにさせた」という稙田監督の指示の成果だった。

 センバツ1回戦の駒大苫小牧戦で0-3で完敗した後、的を絞りきれず3安打に終わった貧打改善に努めた。バットを短く持ったコンパクトでシャープなスイング習得に取り組ませ、つなぐ野球を意識させてきたという。振り込みは1人1500スイングも行った。加えてセーフティーバントや反対方向へ打つ練習なども徹底し臨機応変な攻撃力を身につけさせた。

 春の九州大会準優勝に成果が表れていた。この日5死球と、しつこい内角攻めにあったが、それでも屈せず得点に結びつけた。センバツで3打数無安打の小野田は「ああいう形で負けて悔しかった。後ろにつなぐ大切さを教えられました」とチームの思いを代弁。稙田監督が「粘り強くなった」と評す大きな成長で再び甲子園へ挑戦する。【菊川光一】