<高校野球新潟大会:新潟明訓1-1五泉>◇18日◇3回戦◇新発田市五十公野公園野球場

 第2シードの新潟明訓は五泉相手に、2度の雨で合計4時間13分という異例の中断を経て、延長10回降雨コールドで引き分け。今日19日に再試合が行われる。

 待ちくたびれた。いくら待っても試合が再開されない。午前9時58分に始まった試合の時計の針は、午後4時35分を指していた。降雨コールドの宣告。11回裏の攻撃中だったが、規定により延長10回引き分けとなった。新潟明訓の本間健治郎監督(40)は「しょうがない。明日しっかりやります」と足早に去った。

 2度のサヨナラのチャンスが、雨によって「間延び」した。1-1の同点で迎えた9回裏。先頭打者が二塁打を放ち1死二塁とした場面で、じわじわ降り続いていた雨脚が一気に強くなり、午前11時52分に1度目の中断に入った。

 再開までに2時間36分を要した。太陽の光が差し始め、スポンジで水を吸って土をかぶせてグラウンドコンディションを整えた午後2時28分に再開。しかし、待たされすぎたのか、後続が凡退した。そして延長11回裏1死二塁。勝利に最も近づいた瞬間が訪れる。再び大粒の雨が降り始める中、5番水沢圭太捕手(3年)が右翼に飛球を打ち上げた。

 五泉の右翼手はぬかるんだ芝に足をとられ、捕球できずに二塁打にしてしまう。だが、判断が難しい打球に二塁走者は三塁までしか進めず、直後の午後2時58分、2度目の降雨中断。わずか30分の再開だった。1時間37分の中断後、試合終了。言葉を残すことなく、関係者の誘導で足早に球場を去った選手たちの姿に、悔しさがにじみ出ていた。

 漆原、村山の2枚看板の継投で最少失点に抑えながら勝ちきれなかった。本間監督は「フライアウトが多かった。変化球を振らされた。打ち損じが多かった」と、1得点の打線を課題に挙げた。一方、2度のピンチを雨に救われた格好となった五泉・江端利文監督(50)は「雨がやめばやるしかなかった。あの場面はスクイズで良かったかも」と、11回表1死二、三塁の好機に三振で倒れた場面を振り返った。皮肉にも、両チームが球場を去ったころには、雨はやんでいた。【高橋洋平】