<高校野球南北海道大会:小樽潮陵10-9浦河>◇22日◇準決勝◇札幌円山

 歓喜のドラマは、一瞬で暗転した。4点ビハインドの浦河は9回表、相手失策に乗じて大量5点を奪い試合をひっくり返したが、その裏の守りでリードを守れずサヨナラ負け。2死走者なしから、3連続長短打を浴びての幕切れに、2年生エース菊地悠也は「1点を守りきれなくて、すごく悔しい」と泣きじゃくった。

 最後の打球は、中堅を守る兄・菊地奨悟(3年)の頭上を越え「実感がわかない。必死で打球を追ったけれど、負けたと分かった瞬間、頭が真っ白になった」と唇をかんだ。60年ぶりに出場した南大会で、4強入り。3年生3人が抜け、新チームは選手14人で秋の大会を目指す。地区予選から全6試合を1人で投げ抜いた菊地悠は「この舞台で、もう1度、甲子園を目指したい」と涙をぬぐった。