<高校野球京都大会:龍谷大平安9-2東山>◇25日◇準決勝◇わかさスタジアム京都

 春夏連覇を狙う龍谷大平安が、甲子園切符に王手をかけた。初回に先制を許し、同点に追いついた直後の3回2死二塁。4番の河合泰聖内野手(3年)が、4球目に来た真っすぐを強振した。夏空に向かって、打球はグングンと伸びていく。センバツ決勝・履正社戦でも本塁打を放った主軸に、ようやく出た今大会初アーチ。これで勢いに乗って、7回コールドで2年ぶりに決勝に進んだ。

 「監督さんから『バットを前に出せ!』と言われていました。僕は体が小さいので強いスイングだけを心がけた。連覇のチャンスがあるのは僕たちだけ。あと1つ勝って、挑戦する」

 身長169センチ。強豪校で4番を張るには、かなり小柄だ。体格差を埋めるために、寮では毎日どんぶり飯3杯をたいらげる。夏場で食欲がなくなると「お茶漬けにして無理やりでも胃に押し込むんです」。努力は実を結び、昨夏に67キロだった体重は75キロに増加。夏場で食欲がうせ、口の周りが荒れると「ビタミン不足なので、寮に帰って野菜を食べます」と笑った。

 圧勝とはいえ、初回に先制を許し、5回には併殺を狙うあまり、故意落球の判定も受けた。原田英彦監督(54)は「ミスが多すぎる」と怒り心頭。まずは京都の頂点へ。連覇への道のりは、まだまだ長い。【益子浩一】