<センバツ高校野球:智弁和歌山0-2東洋大姫路>◇2日◇準々決勝

 智弁和歌山(和歌山)打線を沈黙させた。真っ赤な勝負スライディングパンツをはいた東洋大姫路(兵庫)のエース佐藤翔太投手(3年)は9三振を奪い、三塁も踏ませなかった。春は06年の清峰(長崎)有迫亮以来となる2試合連続完封勝利。「近畿勢同士の対戦で、絶対に負けられないと思っていました」と気合を147球に込めた。

 相手3番の勝谷、4番坂口とは中学時代に対戦。勝谷には8回2死から初安打を打たれたが、坂口は完ぺきに封じ込んだ。「坂口は初球の甘い球を見逃してくれたこともあったけど、内角を意識させたのがうまくいきました」と笑った。

 「4番佐藤」も復活した。初回2死一塁で今大会初安打し、3回2死一、二塁では先制打。「前の2試合は打てなくて迷惑をかけていたので、どうしても打ちたかった」。1年秋の近畿大会準々決勝の北大津(滋賀)戦で決定的な3ランを浴びセンバツ出場を逃した。終盤の追い上げの打席では当時3番の佐藤は見逃し三振。消極さに腹が立って仕方なかった。その苦い経験を成長への力にし、投打で先頭に立つ。初の春頂点へ残り2試合、蓄えてきた力のすべてをぶつける。【堀まどか】