<高校野球群馬大会:太田工2-1富岡>◇7日◇2回戦

 群馬は雨にたたられた中、期待された富岡の左腕・高田優馬投手(3年)が初戦で惜敗した。

 プロ注目左腕、富岡(群馬)高田優馬投手(3年)の夏はわずか1試合で終わった。雨の中、太田工・吉田真史(3年)との投げ合いは延長戦にもつれ込む熱戦。11三振を奪う力投を見せながら、1-2と惜敗した。

 勝利の女神は高田に振り向かなかった。1-1の同点で迎えた延長10回表1死一、二塁のピンチ。緩い打球は一塁ベースに当たって右翼線に転がり、二塁走者が決勝のホームを踏んだ。「不運というしかありません」と唇をかんだ。

 この日は初回から飛ばした。最速136キロの速球と変化球を低めに集め、5回まで毎回の8奪三振。7回には3者連続三振を奪う力投を見せた。プロも注目する隠れた存在。阪神など日米3球団のスカウトが視察した。阪神菊地スカウトは「腕の振りがよくなれば、もっとスピードが出る」とその将来性を高く評価した。

 甲子園という夢はかなわなかった。それでも昨秋は最速130キロだった左腕が地道な努力で球速を137キロに伸ばし、プロ注目の左腕に成長した。進学校の中で、成績も常に上位をキープ。文武両道を目指した。「自分のベストの試合ができた」。悔しい結果にも高田は胸を張った。【横山元保】